企業再生リーダー育成の事例

業容: 中小食品製造・小売業

規模: 約90名

役職: マーケティング統括本部長

概要

旧経営陣による不適切な経営判断が続いた結果、事業が立ち行かなくなり、金融機関主導で債権放棄を含む私的再生手続きが決定。
今後は新経営陣による再生計画の実行フェーズに入り、事業計画の実効性確保、組織構築、人材登用、リーダーシップの再定義など、極めて広範な改革が求められる状況で、金融機関より「新体制立ち上げ支援」の依頼をいただいた。

施策

1. 新経営陣の組成・外部幹部の採用プロセス構築
・CEO・COO・管理部門責任者等の新経営体制の要件を明確化
・必要となる能力要件・マインドセットを再定義
・外部幹部のサーチ・選考プロセスを構築し、早期に幹部チームを形成

2. 再生100日プランの策定（短期間での成果創出設計）
・営業・マーケティング・製造・購買・管理会計の重点改革領域を特定
・「即時改善」「中期改善」「仕組化」の3段階でロードマップ化
・金融機関とのコミュニケーションをスムーズにし、実行可能性を担保

3. 営業・マーケティング領域の再構築
・収益性・チャネル別粗利分析
・売上構造の見直しと重点プロダクトの再定義
・在庫・仕入・製造フローの改善によるキャッシュフロー改善支援

4. 管理会計・経営管理体制の再設計
・週次モニタリングを可能にする管理会計制度を構築
・現場で“数字を読む力”を獲得できる仕組みを導入
・キャッシュフロー管理の標準化

5. 新経営陣3名へのエグゼクティブコーチング
・方向性の統一、決断の質の向上
・リーダーシップの再定義
・再生フェーズ特有の“従業員心理へのケア”を含むマネジメント強化
・組織全体の行動レベルを引き上げるためのメッセージ設計

結果

長年の業績不振で組織内に蔓延していた閉塞感が、新経営陣の明確な発信と仕組みの再整備により大きく改善。

エグゼクティブコーチングを通じ、3名の新経営陣が“腹落ちした意思”を持って改革を推進できるようになったことで、
・従業員の変革マインドの醸成
・日々の行動レベルの向上
・部門横断プロジェクトの推進力向上
が実現。

さらに、管理会計・在庫管理・仕入改善の即効性が現れ、再生3か月目には単月黒字を達成。
会社全体に“再生の手応え”が広がり、事業再生に向けた確かな軌道に乗る結果となった。

【企業コメント】
「長年の不振で社員の士気が低下していましたが、発信の仕方やマネジメントが変わるだけで、ここまで行動が変わるのかと驚いています。改革の手応えを組織全体が感じられたことが、再生の大きな第一歩になりました。」