シャディ株式会社取締役副社長 浜野 幸也様

物流, 小売, 流通

ヘッドハンティング、エグゼクティブコーチング、組織開発など組織人事領域で複数ソリューションをご利用頂いている、シャディ株式会社の浜野副社長に事業展開やグループ企業の展開、求めている人材、当社ソリューションの感想などを伺うインタビュー機会を頂戴いたしました。

100周年を迎える老舗ギフト企業の進化

志村
本日はお忙しい中、インタビューの機会をいただき、誠にありがとうございます。
まずは御社の事業内容についてお聞かせいただけますでしょうか。
浜野様
シャディは来年2026年で創業100周年を迎えます。全国の「サラダ館」を中心にギフト販売店様への卸売を行い、国内で初めて「カタログギフト」を開発したパイオニアとして、フォーマルギフト市場を長年牽引してきました。

日本人の暮らしには、贈りものを通じて感謝や思いやりを伝える文化があります。カタログギフトの開発も、贈る側・受け取る側双方の「想い」を大切にしたいという発想から始まりました。そうした文化を支えてきたことは、私たちの誇りであり、大切に守っていくべき財産です。

ただ、冠婚葬祭の機会減少により市場は縮小傾向にあります。だからこそ今は、フォーマルギフトはトレンドが下がっているものの改めてラインナップの見直しやブランド価値の強化を進め、販売店への送客を含めた一体的な成長を目指しています。

そのうえで、フォーマルギフトのダウントレンドを補う形で、自家需要の取り込みやECを通じた新規顧客送客といった新しいチャネルにも注力し、プライベートブランド(PB)開発とECの強化を二本柱として、次の100年に向けた成長戦略に挑んでいます。
志村
詳しくお聞かせ頂きありがとうございます。
続いて、現在、特に注力されている事業や成長分野についてお聞かせください。
浜野様
グループで展開するバーニーズニューヨークのブランドを活かし、PB商品の開発を進めています。これまでNB商品卸中心だったビジネスから、企画・開発力を強みにした「ファブレス型メーカー」へ進化していくことが狙いです。

返礼ギフト分野については、フォーマルギフトの再強化を進めつつ、「プレゼント」「カジュアルギフト」など自家需要を取り込む新領域にも挑戦しています。たとえば誕生日や母の日といった日常の小さなギフト需要にも対応し、販売店様が新しい顧客層とつながれる機会を広げています。ECからの送客を組み合わせることで、販売店様の新規顧客獲得と売上向上につなげていきたいと考えています。
志村
チャレンジングな取り組みをされていらっしゃると感じました。
加えて、もう一つの成長分野として物流事業についてもお聞かせください。
浜野様
ラオックスロジスティクスは、ギフトで培った包装技術や手作業の精度を強みに、外部企業向けの物流サービスを拡大しています。400名規模の熟練スタッフによる熨斗や袋詰めは、他社にはない付加価値です。

さらにECや食品、アパレルにも対応し、販売店やEC事業者を支える「営業コンサル型の物流会社」としての立ち位置を築いてきました。物流は効率化だけでなく付加価値が重要であり、土日対応や出荷締切延長など柔軟性を武器に差別化を図っています。

そして私が大切にしてきた理念は、「単なる保管・梱包・在庫管理をする物流会社ではなく、荷主の売上を最大化する物流サービスを提供する会社になる」というものです。物流を経費の一部として捉えるのではなく、売上を高めるための重要な機能として位置付ける。その発想を徹底することで、クライアントの事業成長に直結する物流を目指してきました。

経営で大切にしていること

志村
事業についてお教え頂きありがとうございます。
次に視点を変えて、浜野様が経営を推進するうえで大切にしていることを、是非お聞かせ頂けますでしょうか。
浜野様
正直なところ、今の経営をどう評価すべきか、自分でも整理しきれていません。ただ一つ言えるのは、現場に足を運び続け、社員やお客様の声を素直に受け止め、“どうすればお客様に喜んでいただけるか”を考え続けているだけです。

経営者としての信条をきれいに語れるタイプではありませんが、物事を主観ではなく客観的な目線で捉え、“どうあるべきか”を常に問い、たとえ難しいことでも諦めずにやり続けること。それが少しずつ良い方向へ向かう力になっているのかもしれません。
志村
ゆるぎない軸を持ち、具体的な行動をたゆまず継続されていらっしゃると感じました。
もう一歩踏み込んで伺いますが、今後の事業として方向性はどのようにお考えでいらっしゃいますか。

次の100年に向けた方向性

浜野様
100周年はゴールではなく「進化の通過点」です。

- フォーマルギフトの再強化とブランド価値の向上
- 販売店送客・自家需要の取り込みを両立する仕組みづくり
- PBを核とした高付加価値戦略
- ECとリアル販売網の融合
- グループシナジーを活かした一気通貫のサービス


これらを柱に、「ギフトを核としたライフスタイル総合サービス企業」への進化を目指します。
志村
興味深いです。
それらを実行する上で、どのような人材を求めていますか。

任せる勇気と新しい風を歓迎する組織づくり

浜野様
私が大切にしているのは「現場主義」と「任せる勇気」です。

EC事業では自ら知見がなかったため、あえて外部の経験者を採用し、権限を全面的に委譲しました。その結果、新しい発想が組織に入り、事業が大きく前に進みました。

これから必要なのは、
- デジタルに強い人材(EC・SNS・データ分析)
- ブランド価値を理解し発信できる人材
- 現場を動かすリーダーシップを持つ人材

また、販売店の皆様の声を徹底的に吸い上げる「ブロードリスニング」の姿勢を社内文化として根付かせていきたいと考えています。
志村
ありがとうございます。
最後に、当社サービスのご利用経緯やご感想についてもお聞かせください。
浜野様
現職に就いたきっかけが志村さんからのご紹介でした(笑)。
経営者視点で課題を理解し、的確な人材をご紹介いただけるのは非常に心強いです。

「会社を変える人材」と「社風に合う人材」の両立は難しいですが、その橋渡しをしていただける存在は経営者にとって大きな価値があります。今後もぜひ期待しています。
志村
本日は貴重なお話をお聞かせいただき、誠にありがとうございました。

プロフィール

シャディ株式会社取締役副社長  兼ラオックスロジスティクス株式会社 代表取締役社長/ラオックスECストラテジー株式会社 代表取締役/ラオックス・ビジネスサポート株式会社 代表取締役/株式会社ポラリス 代表取締役/菊名運輸株式会社 代表取締役/株式会社バーニーズジャパン 取締役/株式会社エスクリ 取締役
浜野 幸也様
【会社概要】
社名:シャディ株式会社
HP: https://shaddy.jp/
本社:東京都港区虎ノ門4-3-1 城山トラストタワー 24 階
代表者:代表取締役社長 矢野 輝治
創業:1926年(大正15年)7月
設立:1962年(昭和37年)2月1日
事業内容:「有店舗メディアミックス型ビジネスモデル」でギフト用品および生活関連用品を全国の販売店を通じて販売
従業員数:345名(2024年12月末現在)
年商:369億円(2024年12月期)

【ご経歴】
三和銀行(現三菱UFJ銀行)に勤務後、独立や事業会社での代表や営業等を経て2019年にラオックスロジスティクス代表取締役に就任し、物流改革・M&Aを推進。
- 座右の銘:「現場主義」/「本質追求と価値創造」
- 趣味:仕事/酒/株/おしゃれ

INTERVIEWインタビュー

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